職場でカサンドラ症候群になること / 水月ひなた

職場でカサンドラ症候群になること / 水月ひなた

家族じゃなくてもカサンドラ症候群になる

実際、私は、数年前そういう状態になりました。
今から、6年ほど前そういう状態でした。

当時、会社で私の上司(以下Aさんとします)として異動してきた方が、今思えばADHD傾向の強い方でとても大変でした。

一緒に働く大変さ

会社は、休憩時間を含めると9時間ほど過ごす場所なので、ほぼ8時間一緒にいるってことは、精神的にかなり厳しいです。
人間関係がうまくいかないと、精神は病みやすくなります。

発達障害さんの特徴として、外見ではわからないし、少し話したぐらいではわからない。
でも一緒に仕事をしていると???って事が多くなります。
最初は、気のせいかな??って思っていたことが、毎日積み重なってどーなっているの?って。

Aさんは、ADHD傾向が強い方だったので、興味があちこちに移りやすく、一つの仕事を最後まで完結できない。
目の前で気になる仕事から片付けて行くので優先順位が無茶苦茶でした。

最初は、異動してきたばかりで、仕事に慣れないからなのかな??なんて思っていましたが、そうではないことが日を追うごとにわかってきて…。

何度言っても仕事を完結してくれない、何度言っても話を聞いてくれてない。
何度も同じミスをするAさんに対して何で?どうして?と思いながら気をつけて下さい、とかなりキツめにも言いました。
今思えば、特性がそのまま出ています。

周りがわかってくれない辛さ

私は、仕事がすすまないこと、その進まない仕事をフォローしないといけない、それで イライラして色々言ってしまうのですが。
周りからみると、私が新任のAさんに文句を言っているというようにみえているようで、そんなに言わなくても、とか、厳しすぎるのでは、とか、もっと長い目で育ててあげないと、色々言われました。

そういう周りの声、そして、何を言っても変わらないAさんの態度に、私がおかしいのか?と悩みました。
ただ、当時、私と一緒に部下として配属された同僚も、私と同じことを思ってくれていて。
それで、2人でAさんの愚痴を言いながら、なんとかやってこれていたのだと思いました。
もし、わたし1人なら、本当におかしくなっていたと思います。

一番耐えなれなかったこと

何より私がイライラしたのが、Aさんが自分が何ができていないのかわかっておらず、自分では仕事が出来ているという振る舞いでした。
出来ない事を認めない、自分のミスを認めない、仕事のフォローをしている私に対して部下だからやって当たり前という態度…
人が不快に感じるのは、多分、そういうところ…。

前任者からの引き継ぎで、細かい事は ひなたさんがやるから、という引き継ぎを受けていたせいなのか、その言葉をそのまま受け取って、Aさんは、自分では 仕事の全容を理解しようとしませんでした。
外に出たがる仕事を引き受けてきては、周りに迷惑をかけ、それでも自分は正しいという態度で、何で自分の立場を ちゃんと把握できていないのか?毎日思ってました。

そのAさんは Mgrでもなければ、課長職でもありません。
にも拘わらず、勝手に会社の名前をつかって交渉をして、後で取り返しのないことになることが多発していました。
会社の体制として、部長クラスが、いくつもの部の取りまとめをしていて、細かくみていなかったこともあったかと思います。

私の方が給料も少ないのに、Aさんが勝手に引き受けてきた仕事の実務は、すべて私にやらせるという最悪な状況でした。
Aさんが完結出来ない仕事を、私が終わらせてそれをAさんに渡す、Aさんは当たり前のように部長に報告して、周りからみると、滞りなく進んでいるように見える。

冗談ではない!私が1人でやっているのに 誰もわかってくれず苦しくて苦しくて

発達障害だけではない何か

Aさんは 発達障害の傾向があったのだと思いますが、それ以上に自己愛が強く、プライドが高い 自己愛性パーソナリティー障害だったのではないか?とも思います。

実際、Aさんと一緒に仕事をした人は、二度と一緒に仕事をしたくない、Aさんの手伝いはしたくない、と言っていました。
部署に配属されて、半年ほどで、直接かかわった人たちは、Aさんがなんとも言えずおかしい…と言っていました。

配属されて1年、Aさんは部署が変わり、私は、離れる事ができました。本当にホッとしました。
私自身がこういう思いがあるからこそ、職場でのカサンドラ症候群に陥る気持ちがよくわかります。
本当に病みます…。

でも、今のように特性がわかっていたら、もう少し違っていたんだろうな…と思います。
この経験は、本当に辛いものでしたが、今の私の役に立っていると、今は思えるのです…。

当時は 毎日 会社に行ってAさんの顔を見るのがものすごーく嫌でしたけどね(笑)