障がい者雇用で起こりがちなトラブルとその対策7選(前編) / をこ

障がい者雇用で起こりがちなトラブルとその対策7選(前編) / をこ

当サイトをご覧の皆さま、こんにちは、をこです。

私は現在、障がい者雇用であると同時に、障がい者雇用の方々を管理する仕事をしています。
その中で日々感じていることや現場のリアルな声をお届けすることで、皆さまにとって有益な情報になればと考えています。

今回は日々私が業務を行う中で感じた“障がい者雇用で起こりがちなトラブル”について7つほど挙げ、対策についてもご紹介したいと思います。

① 賃金が低いため、やる気がでない


障がい者雇用で雇われる場合、賃金が低いことについては、分かったうえで入社する方も多いでしょう。しかし、働いているうちに様々なトラブルや労働のきつさを経験していく中で、「やはりこの賃金では安すぎる」と思うような場面が出てくることがあるかもしれません。その気持ちを放置してしまうと、最悪仕事に対するやる気がなくなってしまい、二次障がいや病状の悪化を招くこともあります。

【対策】

労働量の割に賃金があまりに安いと感じた場合は、まずは支援者か上司に相談してみましょう。障がい者雇用とはいえ、やとわれて仕事をする以上、被雇用者となりますから、きちんと働いている限りは、権利の主張について遠慮することはないでしょう。

② 通勤が負荷になり、体調が崩れる

障がい関係なく、通勤というものは疲れるものです。しかし、障がいがある方の場合は、体力が少ない・人が多い場所が苦手という障がい特性のために通常よりも通勤でかかる負荷が多くなってしまうことがあります。

【対策】

1. 家を出る時間をずらす
一番ポピュラーな方法です。支援者や会社の上長と相談して、通負荷が少ない時間帯に通勤できるように出社時間をずらしてもらうか、または早めに家を出ることで、休憩時間を設け余裕を持った出勤を行います。
2. 負荷を減らす道具を使う
もし、通勤の「何が負担か」がわかっている場合は、その負荷を減らすための道具を使用します。代表的なものは、聴覚過敏があり、通勤中の物音や騒音が気になる方の対策としてイヤマフや耳栓、ノイズキャンセリング機能付きのイヤホンを使うといった手法があります。
3. 思い切って会社の近くに住んでしまう
上記の対策をしても、どうしても通勤に対しての疲れが解消できない場合は、思い切って会社の近くに住んでしまい、通勤距離自体をカットしてしまうという手もあります。会社の近くに引っ越す場合は家賃補助があるかについて会社に確認することをおすすめします。

③ 事前に説明し、お願いした配慮をしてもらえない

面接では説明したのに、いざ実務になるとお願いした配慮について同僚などに実行してもらえないということは、案外多いトラブルです。せっかく説明したのに!と思うかもしれませんが、会社の連絡体系の不十分さにより、実際は現場に対しては周知されていない、また上司がわざとお願いした配慮をその他の同僚に伝えていないということはわりと多いので、気をつけましょう。

【対策】

早めに支援係か会社の総務の方に相談しましょう。上司に相談しても、上司が相談で止めてしまうことがあるので、この場合は総務や支援関連の方にお願いすることが必要です。
また、面接では説明したことを証拠として残しておくために、配慮をお願いする場合は書面で提出するといった方法もつかうとなおよいでしょう。もし支援係や会社の総務に相談しても改善がない場合は、会社の近くのハローワークの障がい者窓口での労働相談を受けましょう。

いかがでしたでしょうか。
今回は障がい者雇用で起こりがちなトラブルとその対策について第一弾をお送りいたしました。
障がい者雇用は、すべてが守られた雇用であると思われがちですが、会社と人とのやり取りなので、どうしても不具合が生じることは致し方ないことです。
いち労働者として、不当な雇用などから身を守る術を身に着けることは大切ですから、予備知識は積極的に取り入れましょう!

著者紹介 をこ

発達障害(ADHD)当事者。障がい者雇用当事者ながらデザイナー兼障がい者雇用管理に従事しています。

Twitter:https://twitter.com/sakashira9