発達障害かも?と思って病院を受診したら大体受ける「WAIS」を解説! 

発達障害かも?と思って病院を受診したら大体受ける「WAIS」を解説! 

2020年10月27日

こんにちは!春雨です!

今日は発達障害かも?と思って精神科&心療内科を受診したときによく出てくる知能検査のWAISについて紹介したいと思います。

これから受ける人のために知能検査の内容の詳細は伏せて書きますが、なぜ受けるのか、受ける流れをお伝えします!

WAISって何?

WAIS(ウェイス)とは正式にはウェスクラー成人知能検査という名前です。今第四版まで出ています。(私は2017年に第三版を受けました。)

様々な問題を出されそれを答えていくので、人にもよりますが大体2時間〜2時間半ぐらいかかります。かなり個人差があります。

知能検査という名前なのでIQが出るわけなんですが、ただ知能を測定するだけではありません。

様々な検査の結果から得意な面、不得意な面を客観的に把握し理解できるというのが大きな特徴です。

対象年齢は16歳からで、それより年齢の低い方はもう少し簡単な検査を受けます。

 

どんなことを測定するのか

WAISでは色んな検査をしますが、大まかに4つの能力を測定します。

言語理解 言語的なことに対する理解や把握の能力

知覚処理 目で見て物事を理解したり操作したりする能力

ワーキングメモリー 記憶や注意集中力に関する能力

処理速度 手先の器用さやスピードに関する能力

これらの得意不得意を様々な検査を通して調べていきます。

(第三版では「ワーキングメモリー」のところが「作業記憶」でしたが名前だけでそこまで大きな変更はないです。)

 

具体的な検査内容はこれから受けるための方のために伏せますが、聞いたり話したりして個人的にはとても面白いです。

 

大切なのは能力の「差」

 

これは知能検査なので、低いと発達障害なのか!?と思う方もいるかもしれませんが低いから、高いからといって発達障害があるというものではありません。大事なのはこれらの数値に「ばらつきがあるかどうか」ということです。

先ほどの4つの能力が全部バラバラだったり、一部の能力に差がある場合、個人の得意なところと苦手なところの差が激しいということで、時にはそれが生活上の支障となる場合もあります。

 

例えば私は処理速度と知覚処理は高いのですが、言語理解とワーキングメモリーが低いです。一度理解をすれば作業を早く行えるのですが、自分の気持ちや思いを言葉で伝えるのはとても苦手です。知覚処理が高いので目で見て情報を理解するのは得意ですが、耳で情報を取り入れるのはかなり苦手でパニックになってしまいます。

 

知能検査と発達障害

では、知能検査でばらつきがあった場合すぐに発達障害と認定されるのでしょうか?

知能検査はあくまで知能検査であるため、インフルエンザのような結果のみで判断できるものではありません。ただ、診断をするための大事な指標の一つになります。

他にも幼少期からの困りごとや現在困っていること、また体調面での問題ではないかと血液検査などの身体的な検査も行いながら少しずつ少しずつお医者さんが判断していきます。

 

ちなみに、もし結果に疑問を持っても同じ検査を実施する場合は最低でも1年、できれば2〜3年の間隔を空けることが好ましいです。私は1度WAISを検査したのですが、その結果凸凹があまり大きくなく発達障害ではないと言われ疑問を持ちすぐにセカンドオピニオンを行ったのですが、一年で2回WAISを受けた結果学習効果で自分の苦手なところも覚えてしまって、さらに凸凹が少ない結果ができてしまい、負のスパイラルにはまりました。結果発達障害と診断されるまで1年以上かかりました。

 

ちなみにおいくら?

こちら実費か保険適応内かで値段が変わってきます。

私はたまたま保険適応内で受けれたので大体3000円程度でした。でも実費になってくると1万を超えることもザラです。また診断書や報告書を書いてもらう場合には別途料金がかかります。

病院によってそこは変わってくるのでもし検査をするにあたって不安な方は聞いてみるのも一つの手だと思います。

 

ちょっとネタバレ心理士裏話

 

授業で知能検査を心理士として受けたことがあるので、ちょっと心理士側の視点でお話しします。

知能検査の場合、実は入室した時から検査は始まっています。

入室した様子、目を合わせられるか、検査の説明をちゃんと聞けているか、指示の前に動いていないかなど検査自体以外も結構見てます。

また、100%の力を発揮してもらうために安心感を持って検査してもらうのも心理士の仕事です。そのため軽い雑談なども踏まえながら相手を知り、その上で検査を行います。

つまり、退室するまでが検査なのです。

「帰るまでが遠足」みたいですね。少しでも正確な内容を記述するために心理士さんも頑張ってます。