優しさとは / 原島陽一

優しさとは / 原島陽一

2020年9月1日

りあんの有料会員のみなさま、こんにちは。
僕は東京でNPO法人「心のつばめ会」の代表理事をしながら
心の健康について教えているアドラー心理学「勇気の伝道者」の称号を持つ原島と申します。
これからみなさんと心の健康について一緒に考えていければなと思いコラムの依頼を引き受けました。

りあんは女性限定のサイトで男性の僕に抵抗があるかたもいらっしゃるかもしれませんが
少々お付き合いいただければと思います。

「優しさ」とは?

さて初回である今回は「優しさ」について共有したいなと思います。
突然ですが「優しさ」とは、なんでしょうか?

「辛さ」の体験

結論から言いますと「優しさ」とは「つらさ」を体験した人でないと
本当の意味での実感や理解はできない「感覚」なんですね。

ちょっと想像してみましょうか。
もし1度も「つらさ」を体験したことがない人が
「優しくされた」と感じるならば、それはどんなときでしょう?
たとえば、何かを代わりにやってもらったとき??
たとえば、自分の期待に応えてもらったとき??

なかなか難しかったんではないでしょうか。

では、そうではない、
「つらさ」を体験したことのあるわたしたちが同じ質問されたらどうでしょう?
たとえば、つらいときにそばにいてくれた??
たとえば、一緒に笑ったり泣いたりしてくれた??
まだまだたくさん、それこそ「無限に」思い浮かぶと思います。
同時に「嬉しさ」も伴っていたのではないでしょうか。

「優しさ」の根源は共感や想像力です。
もし生まれてから1度も「つらさ」を体験しないまま
大きくなってしまった場合の「優しさ」とは、
小学校の道徳の授業や教科書で教わったもの、
マナー的なものであって、
うっかりすると、自分や他者の期待に応えるものという誤解や、
「あのひとは優しくない」とかの他者攻撃・操作・支配の材料にする
という誤使用の頻度も高まってしまうのではないでしょうか。

夏の外気温の暑さがあるからエアコンの快適さを感じるように
冬の寒さがあるから暖房の快適さを感じるように
みなさんが感じてきた「つらさ」があるからこそ「優しさ」に敏感になれるのですね。

「感覚を磨く」

そしてここからが重要。「感覚」は「能力」でもあります。

「優しさ」に敏感になれたあなたは
他者から優しくされたらどうしますか?
ご自身の持ってる「優しさ」をどう使いますか?

せっかく持っている「能力」でも、使わなかったらそれはそれで「宝の持ち腐れ」ですし、
もし今がうまくいってないようなら「優しさ」の使い方を見直してみるのも一案かもしれません。

見返り(感謝)を求めて「優しさ」を使っていませんか?
「優しくしてくれない」ひとに「優しさ」の出し惜しみをしていませんか?

「嬉しさ」も伴う「優しさ」を知っているあなただからこそ
ご自身にもまわりのひとにも「優しくできる」能力も持っているんですね。

いつ・どこで・誰に使うかは、まさに「あなたしだい」ですよ。

著者紹介

原島 陽一
東京都生まれ
勇気の伝道者(ヒューマンギルド岩井俊憲氏認定)
●特定非営利活動法人全国父子家庭支援連絡会 元理事
「東京葛飾父子家庭当事者の会」代表
●NPO法人「心のつばめ会」代表理事
●不安・悩み共有グループミーティング「ぱすてる」実行委員長
●社)産業カウンセリング協会登録産業カウンセラー
●ヒューマンギルド認定「愛と勇気づけの子育て・自分育てセミナーSMILE」リーダー
●人生大肯定「ライフリコレクション」研究会
●精神障害者ケア専門員
●カウンセリングルーム「あおぞら」代表理事
●國學院大學栃木短期大学 特別講師
●葛飾区障害者施策推進協議会 元委員
【主な講演活動】
●アドラー心理学ゼミナール「わたしのパーソナルチェンジ」講師
●3Keys主催「児童養護施設とその家庭背景について ~ひとり親と施設児童~」講師
●NABA豆ネットワーク主催世田谷区後援「第6回ピアサポまつり」ゲストスピーカー
●千代田区男女共同参画センターMIW主催「子どもの声はずむまちをつくる」ゲストスピーカー
●東京理髪協会主催「集客に役立つアドラー心理学」講師
他 NPO法人「心のつばめ会」講師など多数(別紙)
【主なメディア出演】
●TBS系列イブニングファイブ
●テレビ東京系列『田勢康弘の週間ニュース白書』
●NHK「おはよう日本」
●テレビ情報誌「TVJapan」
ほか多数
【主な分野】
ひとり親支援(児童扶養手当法改正)、精神障がい者とその家族支援、
高齢者・障がい者介護問題、虐待・DV等暴力問題、
発達障がい支援、依存症支援、貧困問題、保護者支援、
心理カウンセリング・心理セラピーなど