「障害者を持つ方が就労を続けるには?」 / ゆーき

「障害者を持つ方が就労を続けるには?」 / ゆーき

2020年8月24日

はじめまして!
現在、就労移行支援事業所に勤めるキャリアコンサルタントのゆーきです。
それ以外にもNPO法人の経営や、コピーライター、イベント運営などをやっています。
会社が副業OKなのを良いことに好き勝手な生き方をしています。

こんな僕ですが、今から遡ること5年前には自殺を図ったことがあります。
いきなり重たい話ですみません。
でも、生きづらくて、生きていくことに意味を感じなくなってしまっていました。
幸い、警察の方に止めていただき、その後も多くの人に助けていただき、
多くの人に出会って今に至ります。

そんな自分だからこそ、書ける文章、お伝えできることがあるのではないか。
そんな願いを持って、この文章を書かせていただいています。

今回は「就労を続けていくために大事なことは何か?」

というテーマで執筆させて頂いています。

私の場合ですが、ADHDという注意欠陥多動性障害を持っています。
すぐに色んなことに興味が移り変わってしまい、
パートナーとの関係性を持続させるのが難しかったり、
仕事においても様々なことに興味が移り変わり、
仕事を持続させづらいという特性があると言われます。
これは概ね自分にも当てはまります。

実際、発達障害の方や精神障害の方は障害のない方や身体の方と「比較した場合」、
「採用されにくく、また、「定着しにくい」。
これは現場感からしてもその通りだと思いますし、
今でこそ定職についている私自身も本当にめちゃくちゃ転職を繰り返していました。

それはあくまでも「事例」であって、「事実」ではありません。

定着しにくい、採用されにくいだけであって採用されないわけではないし、
定着できないわけでもないのです。

私自身、障害者雇用されている方でかつ定着し続けている方のサポートを日常的に行っている経験、
そして私自身も就労できなかった時期と現在の比較から言えば、

定着し続けられる方は三つの共通点があると思います。

・「自己理解できている方」

・「言語化されている方」

・「自分時間が確立している方」だと考えています。

私見に過ぎませんが精神障害発達障害が他の障害と比較して理解されづらいのは、
見える化がしにくい点にあると考えています。
例えば、聴覚障害の方は補聴器もしくは点字などのサポートを行うというように、
みて分かる、理解しやすいサポートとは異なるという意味です。
この見える化をするために言語化が必要と私は考えます。

誤解しないでいただきたいのは、
ここまでお伝えした自分時間、そして自分の物差し、それを周囲に伝える力、
最初からこの三つが全て揃っていなければいけないと言う意味ではなく、
就労していく中で少しずつこの三つが確立していけると
就労が続きやすいんじゃないかなーという話です。

この話をエピソードでお話します。

就職をされてからは基本的には最初は仕事が少ない方がほとんどです。
企業担当者も特に障害者雇用を積極的に行っている企業でなければ、おっかなびっくりだからです。
そんな中で、「もっと仕事を割り振って欲しい」というご要望をご本人から頂くことがままあります。
しかし、ここで一度考えてみる必要があります。現在の仕事量=現在の評価という見方もできるからです。

自分は今任せられている仕事は
本当に上長が求めているレベルのもので仕上げることが出来ているのか。


それは客観視出来ているのだろうか。
また、今の仕事にプラスオンで業務が来た時に本当に安定して働けるだろうか。
懸念点は本当にないだろうか。懸念はあって当然だけれど、対応策は考えているだろうか。

仕事に定着出来ている人はこの辺りについてご自身なりに日々振り替えられながら、
ご自身の考えが本当にしっかり言語化されており、
言語化されているがために周囲からも「見える化」されています。
おっかなびっくりで業務を割り振っていた企業担当者も安心して業務を割り振ることが出来る。
そしてご本人も会社への貢献度と所属感が増して、就労継続につながるということです。

特性上言語化が難しい方もいるでしょう。
そうした方は支援者や両親、周囲の方の助けを求めたっていいと思います!

「自分の時間」がしっかり持てていること。

 

例えば、私は今自宅はボルダリングができるようになっていて、
そのボルダリングをしたり、読書をすることがまさに「自分時間」。

仕事をしている中ではどうしたってストレスや色々なモヤモヤが発生します。
そのモヤモヤは垢のようなもので、私たちが風呂に入り、垢を落とすように、
脳内に溜まった垢を落とす時間とおもっていただければ、
この「自分時間」の必要性も感じていただけると思います。

今、悩んでいる方の一助になれば嬉しいです!

自己紹介

ゆーき

多動力全開、教育系キャリアコンサルタント
就労移行支援に勤務し、主に就労サポートや定着支援を中心に従事している。
勤務の傍ら通信制高校を運営するNPO法人の経営に携わっている。
自身も発達障害当事者であり、転職回数は履歴書にはとてもじゃないが収まらないほど。
ADHDとの診断を27歳の時に受け、自殺を考えるほど落ち込むが、
両親をはじめ多くの人から受けたサポートのおかげで現在に至る。