こんにちは、就労支援事業所に勤務するキャリアコンサルタントのゆーきです! 私自身ADHDという発達障害を持っておりまして、僕はそんな自分を「多動すぎる教育系キャリコン」と自称しています!
適職って?
自分の特性の理解
そんな僕はこれまで結構な数、転職を重ねています。その自分が適職ってなんだろうなどと大それたテーマで語るのはなんだかおこがましい気もしますが、振り返ってみると、転職回数を重ねたこと自体は、今にして振り返ってみると、悪いことじゃなかったなと思うのです。だけど、転職回数が多くなった理由は?と聞かれれば、それはひとえに自分自身の特性などを理解していなかったことが要因だと思います。
そして、適職を、まるで運命の人を探すかのように探し回って転職活動を繰り返していました。何せ、注意欠陥、マルチタスクが苦手という特性を持っているにもかかわらず、飲食店で働いてましたから。
飲食店での勤務はなかなかしんどかった。料理を作っている、その最中にオーダーを頼まれる。その間に、鍋が吹きこぼれる。それを気にしてしまって、オーダーを聞き間違える。。。
例えるならば、ペンギンがアマゾンで暮らしているようなもんです。ペンギンからしたら地獄です。僕にとっても飲食店は地獄でした。勿論、悪かったことばかりではなく、生来の人好きな性格が功を奏して、人と接する仕事が自分は好きなんだなと気づくきっかけにもなり、それが今の対人援助職に繋がっているわけですから、「ま、結果オーライ」と思える自分がいます。
こうした経験から、本当の意味で「適職」というのを探すのは現在の新卒一括採用のスタイルでは、一発でばしっと見つけるのは不可能だと思ってます。何も経験のないところから、自己理解するなんて、よほど想像力に長けていないと無理だと思うのです。それかよほど運が良いか。そのどちらかのように私は思います。
適職=運命の人!?
就職はよく結婚に例えられることがありますが、「適職」=「運命の人」と言っても過言ではないと思います。結婚において「運命の人に出会いました」なんて人はまず聞いたことないのと同じで適職というのもそう易々と出会えるものではないとさえ思っています。
じゃあ、自分に本当に適した仕事を見つけることもできず、「これじゃない感」を抱えながら、私たちは働き続けなければならないのか?
そんな結論ではなく、「適職は作りあげていくもの」というのが僕の結論です。私のように転職を繰り返していくのも一つの方法でしょうし(就職難民になるリスクはあります)、一つの会社で地道に作り上げていくこともまた方法です。
ただ、そこで自分の特性や思考を振り返ることは間違いなく必要です。特に他人から受けたフィードバック(褒められたことも、お客様や相手から受けた厳しい言葉も)は貴重な情報源。
自分の特性に気づいたら、特性の中でも、多少なりとも努力で出来る軽減できることとそうでないことが出てきます。例えば、私のケースで言えばマルチタスクやワーキングメモリの低さ。これをなんとかしようって頑張ったってやはりどうにもならない。どうにもならないことは、やはり避けるが吉だと思います。
ちなみに、私の場合、ワーキングメモリ(短期記憶が低いのがわかっているので、会社プライベートの予定すべてをトレロというもので一括管理しています。
そうやって少しずつ出来ること、出来ないこと、頑張れば出来ること、やりたいことについての理解を深めていくことで、最終的に「適職」らしきものが出来上がっていくのではないでしょうか。
長くなりましたが、以前、観ていたテレビドラマでの言葉で締め括りたいと思います。
「運命の人は出会うものじゃない。運命の人にしていくものなのよ」
正に私はこの言葉に同意で、自分にあった仕事や適職というものもまた自分で適職にしていくというスタンスがとても大事だと思っています。
著者紹介
ゆーき
多動力全開、教育系キャリアコンサルタント
就労移行支援に勤務し、主に就労サポートや定着支援を中心に従事している。
勤務の傍ら通信制高校を運営するNPO法人の経営に携わっている。
自身も発達障害当事者であり、転職回数は履歴書にはとてもじゃないが収まらないほど。
ADHDとの診断を27歳の時に受け、自殺を考えるほど落ち込むが、
両親をはじめ多くの人から受けたサポートのおかげで現在に至る。